■目的
現行機(1.8GHz/FSB400)でもVideo編集にはまだ性能不足。静音性も今一歩のところに、VAIOの旧機種(1999年製PCV-
R71)の 本体を入手できたので高性能と静粛性を狙ってのPentium4(FSB800) + ATXサイレントタイプ電源へのアップグレードです。
*改造するとメーカ保証外になります。
■条件
アップグレードに際しての前提条件は以下です。
・ビデオ編集のためのPentium4/FSB800最新高性能CPU組込みと静音化。
・OSアップグレード(Win98→WinXP Pro OEM版)
・モデム、PCカード、拡張用5'ベイは使用せずTVキャプチャ/DV編集ボードはCanopusを流用。
・前面パネルのAVコネクタ、iLink、USBコネクタは可能なら使用。(必須ではない)
■パーツ
交換部品と個々の部品選択の概要は以下のとおり。
マザーボード、電源、TVキャプチャボードはVAIO専用から標準品にアップグレードです。
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PCV-R71アップグレード |
PCV-R71 |
CPU |
Pentium 4 2.6C GHz |
Pentium III 600MHz |
Mother
/chipset |
MSI 865GM2-ILS /865GE |
Asus P2B-AE /440BX |
Memory |
1GB(512x2) /PC3200 /DDR400-SDRAM |
128MB /SDRAM |
CPUファン |
alpha +PanaFlo FBA08 A12L2EX |
なし |
グラフィック |
Matrox G550 32MB |
ATI RAGE 128GL 16MB |
HDD |
Deskstar IC35L180 AVV207-1
約180GB (Ultra ATA100) |
Seagate ST327240A
約27GB (Ultra ATA33) |
TVキャプチャ |
Canopus MTV1000 |
VAIO専用 |
DV編集 |
Canopus DVSTorm-RT |
ー |
電源 |
EverGreen Silent King2 (12cmファン)
ATX 350W |
Delta DPS150BB |
*CPUの選択
CPUはAthronも選択肢にありますがTVやDVを扱うのでIntel製でFSB800、HiperThreading対応最新CPUで価格が1万
円台 にはいったPentium4 2.6GHzを選択です。
*マザーボードの選択
オリジナルはASUS製のVAIO専用MicroATX。FSB800かつIEEE1394対応MicroATXマザーボードを
選択します。最新MicroATXだとPC背面のバックパネルコネクタの配置が変わり筐体の加工を伴います。なお「Sony Shared
Library」でインストールされるVAIO専用ソフトの一部はBIOSのDMI情報を書き換えないと使用できなくなりますが、今回は専用ソフトを使わ
ないので問題あり ません。
*メモリの選択
FSB800対応DDR400 Dual Channel動作を保証できるPC3200のメモリーを2枚実装します。
メモリ2枚でDual Channel動作が可能になります。
*130GBを超える大容量HDD
3.5'ドライブベイは2個と少ないので大容量HDDを使用します。今回はBIOSが48bit
LBA対応なので迷わず大容量かつ比較的GB単価の低い180GBを選択です。
*電源の選択
Pentium4用で、オリジナルと同じファン/電源コネクタ位置の低騒音ATX電源を探します。ATX電源は高さ方向取付がPCV-R71のオリジナ
ル電
源と異なるので取り付けブラケットの加工を伴います。また今回選択した電源は電源コネクタの位置もオリジナルと異なるので同じく電源ブラケットと筐体の加
工を 伴います。今回は拡張用の5'ベイを使用しませんが、使用する場合ATX電源と干渉しそうなので事前に確認が必要です。
【参考】オリジナル電源
サイズ(高さ/幅/奥行き):100/85/150mm
容量:100V/4A
■背面パネル
採用するMSIだとPC背面のバックパネルコネクタの配置が変わり筐体の加工を伴います。
■工具
筐体加工のためにニブリングツールを使用します。
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製造元:FUTABA TOOL
型名 :TZ-20
価格 :1500円(秋葉原市販価格)
切断 :鉄板1.2mm以下 |
■加工
加工箇所 |
加工前 |
加工後 |
内容 |
背面パネル |
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矢印部分をカットします。
マザーボード付属のコネクタ端子用プレートがはいるサイズにあわせます。 |
電源ブラケット |
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1.取付けブラケットの上面をカットします。
2.入力電源ケーブルが入るサイズにブラケットをカットします。
3.FAN通風穴の部分をカットします。
*加工前の写真はオリジナル電源と取り付けブラケットです |
電源コネクタ部 |
ー |
|
右矢印部背面を電源コネクタがはいるサイズにカットします。
写真は組込完了時のものです |
■組込
組込みは通常通りです。特に注意点だけを以下に示します。
メモリ |
メモリはDual Channel動作のため緑-赤ソケットの組み合わせで2枚実装します。 |
ファン |
CPU ファンは電源ファンと通風向が同じになるように実装します。 |
パネル |
PCV-R71のシステムパネル接続はASUS社製P3B-1394と同じです。それと同じになるようにMSI社865GM2-
ILSか らしステムパネルに接続します。

865GM2-ILS System Panel Conection
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CD |
CD-Rドライブのオーディオケーブルはマザーボード側の端子に合わせて変更が必要です。 |
OS |
OSはオリジナルがWin98ですがアップグレード後はOEM版WinXP
Proです。ドライバー関係はWinXP用をWEBよりダウンロードして使用します。
・MatroxTM G550 32MB
・Canopus MTV1000
・Canopus DVSTorm-RT
・Sony CRX120E CD-RW |
■仕様
アップグレードによる仕様です。
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PCV-R71アップグレード |
PCV-R71 |
CPU |
Pentium 4 2.6C GHz |
Pentium III 600MHz |
Mother
/chipset |
MSI 865GM2-ILS/865GE |
Asus P2B-AE /440BX |
Memory |
1GB(512x2) /PC3200 /DDR400-SDRAM |
128MB /SDRAM |
システムバス クロック |
800MHz |
100MHz |
拡張メモリースロット |
DIMMスロット×4
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DIMMスロット×2 |
CPUファン |
alpha +PanaFlo FBA08 A12L2EX |
なし |
グラフィック |
Matrox G550 32MB |
ATI RAGE 128GL 16MB |
HDD |
Deskstar IC35L180 AVV207-1
約180GB (Ultra ATA100) |
Seagate ST327240A
約27GB (Ultra ATA33) |
CD Drive
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CD-RW (書き込み4倍速)
ソニー CRX120E
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<-
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TVキャプチャ |
Canopus MTV1000 |
VAIO専用 |
DV編集 |
Canopus DVSTorm-RT |
ー |
Audio
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CMI9739A
AC97 準拠5.1ch-S/W
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Aureal Vortex2 (AU8830)
AC97準拠
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内蔵モデム
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ー
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最大56kbps (V.90 /K56flex)
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おもな接続端子
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USB2 (×4)
i.LINK (×1)
TVキャプチャボード用入出力端子
DV編集ボード用入出力端子
|
USB1 (×2)
i.LINK (×2)
TVキャプチャボード用入出力端子
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電源 |
EverGreen Silent King2 (12cmファン)
ATX 350W |
Delta DPS150BB |
外形寸法
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幅220mm ×高さ352mm ×奥行394mm (突起物を除く)
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<-
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質量 |
約12kg
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<-
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■結果
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4年前のVAIOも「羊の皮をかぶった狼」的Pentium4最強マシンへリフレッシュを果たし、これまで使用した中ではもっとも静
かで 高性能なPCに変
わりました。今回はATX電源の選択と取付のための板金加工が最大のチャレンジでしたが終わってみれば予想以上の仕上がりにほっとしていま
す。
また前面パネルの電源スイッチが機能しない想定外の問題は、HOTキーと代替えスイッチで対応しました。 |
(1) HyperThreadingとFSB800 DualCahnelメモリ動作
HyperThreadingは[コントロールパネル]-[プロセッサー]で、DualCahnelはシステム起動時の画面で確認できます。
(2) 騒音レベル
Power/Onしても「故障かな」と思うほどファンの音は大幅に低減されました。これに反してHDDのシーク音がやけに気になります。やはりの低騒音
PnaFlow(8cm/1800rpm)のCPUファンとSilentKing2電源の12cm大口径ファンの効果が大と思われます。
(3) 温度
システムとCPUの温度はこのページを作成中で以下です。画像をMPEG変換中でもこれより+3℃程度の温度上昇なので特に問題は見当たりません。
System Temperature:37℃
CPU Temperature :47℃
(4) HOTキーシステム起動
パネルの電源スイッチが機能しないためBIOSの設定でHOTキーによるキーボードからのシステム起動を実行中です。スイッチそのものは正常に
ON/OFFし
ているので原因はスイッチとマザーボードの相性のようにも見えますが、別のPCのスイッチで代用すると問題なく起動できます。オリジナルのスイッチの使用
をあ きらめて、HOTキーが使用できない状態ではPC前面のiLink端子位置に実装した仮のPWR/Onスイッチ使用しています。(写真参照)
仮PWR/Onスイッチ(右端)
(5) CD-Rドライブ
CRX120Eは今となっては書込4倍速と遅くDVDも読めないため、当面ノートPCと兼用で手持ちのポータブルPanasonic
KXL-CB20AN(16倍速書込/DVD読込可)をUSB2接続で使用します。オリジナルドライブはOSなどのインストール用になります。