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■内容
2006SAJ指導員研修会(理論)が11月13日小田原市民会館で開催されたときの概要です。
今年のメインのテーマは今年で3年目を迎える「2軸運動感覚」についての市野聖治氏の講演です。
*本文中の図は上記講演で使用されたものを引用させていただきました。

SAJ教育本部
中央研修会テーマ
中央研修会テーマと教育本部研修テーマはこちらです。
理論講演
SAJ イグザミナ委員長
市野聖治氏
テーマ: 3シーズンを経過した「2軸理論の発展」
以下は講演の概要です。詳細は はこちらを参照ください

◆新しく仮説的な理論をトップスキーヤー達が滑りの感覚として話し出している
  
◆すでに先の教程が必要になってきている、新しい3つの方向
 (1)技術と指導+健康
 (2)中心軸、2軸でなく全部2軸
 (3)テールコントロールとトップ&テールコントロールは1つのジャンル

◆技術だけ目標にするようでは将来はない
  →スキーを楽しむ
◆術を争うは、術理を争うことなり
  技術選は一流のプレイヤーが何をやろうとしているのかわからないと意味がない
◆古い運動から新しい運動を導きだせない 
  →革新的な現場主義が必要


◆向心力を得るための原因と結果
 ◆2つの考え方の違い
  従来:重力と筋力がターンをさせる
  新教程:重力がターンを起こす
 ◆重力による落下のエネルギーがスキーをターンさせる
 ◆重力という問題を、身近なものとして考える
  

 ◆向心力を重力によって得ることの説明
  同一線上に無い反対方向にそれぞれ力が働くとしますと、手を離すとこの物体は回転する
  



◆スキーモデル
 水平面に対して角付けすることでターン内側に向かうエネルギーが生まれターンする
 ◆重力によって向心力を得る2つの方法
  水平面に対して谷側への角付け:横滑り
  水平面に対して山側への角付け:トップコントロール
   スキーのトップが浮いて抗力Nxが後方にずれると水平方向の力が働き先端が内側に入る
  

 ◆問題になってきたのは、水平面への角付け
  回旋運動は要らない
  佐々木明
    :「スキーを筋力で回そうという運動はしていない、スキー回すための筋力を一切使っていない」

 ◆斜滑降という概念がまったく変ってくる
  水平面に対してフラットなスキーは横方向の力がなく直線運動をするので外向傾は不要
  

 ◆まさに理想的な滑り
  

 ◆佐々木明は「抜け出す」、佐藤久哉は、「エッジリリース」と言っている
  トップコントロールは従来最も頑張った部分で圧を加えず、切り替え部分で筋力を使う
  

 ◆佐藤久哉の技術選での小回り
  極めて安定感のある小回り →切替部で遠心力で作った相対的水平面を筋力でぶち破っていく

 ◆ニュートラルゾーン、ここが凄く大変
  筋力を使ってエッジングを切り替えてゆく
  

 ◆回転の後半で見れば外向傾だが前半で見れば内向傾
  次のターンに入る内向傾を作っていくために、前のターンで外向傾をする

 ◆遠心力は原因ではない
  遠心力は向心力の結果であり原因ではない



◆身体の運動をどう作っていくか
  身体に重力が働いて下に落ちる力をどう調整するかの考え方に重力軸と運動軸がある
  

 ◆身体運動の考え方 骨肉の争い
  同じ方向の股関節をたたんで自分の重さで、落下しようとする力を味方につけて動く
  筋力をいかに使わないで、骨(骨盤、肩甲骨)で立つことを考えるのが重要になる...骨肉の争い

 ◆動くと言うことと、安定するということは矛盾しない
  プルークボーゲンは安定性があるが動きにくい
  スキー重力を利用し股関節を外旋させて楽な感じで動いても安定する
  

 ◆重力線と2軸の運動軸は別
  重力線が左右の脚の間にあるようにコントロールしなければいけない
  

 ◆内主導の理解がまだたりない
  内主導:内側に移動するには自分の重さを持っていくため、股関節を屈曲、外旋させます。
  

 ◆内脚の主導・制御
  内脚:主導
  外脚:主動
  内脚の外側へ荷重感覚は、太い脛骨を使って内側、外側全体に加重感覚を持つことが重要
  相撲の四股と同様足裏のインサイドよりアウトサイドを使ったほうが運動性が多くなる
  

 ◆感覚的には、内を引いて、外を前に出すという運動
  ターンをすれば、車と同様に内股関節の移動のほうが少ない
  外側を前に出し、内側を手前になるようにする
  

 ◆2軸運動は、重力を融合する形で、地面を掴んでいく
  中心軸運動:重力に対抗する形で筋力を使って運動する。感覚的には地面を蹴るイメージ
  2軸運動  :重力を融合する形で、地面を掴んでいくイメージ
  

 ◆いままでスキーは上体が止まっていて下半身だけ...
  これまでの下半身だけの運動のスキーは捨てなければならない→体幹部、胴体を使うことが必要
  図の左は末続選手で右はこれまでのスキー運動と同じ
  

 ◆肩甲骨が下に下がる、いかにリラックスするかが重要
  リラックスしないと肩甲骨は下がらない...首位打者のタイトルを取ったときの福留選手
  

 ◆体幹部が重要
  体幹部をコントロールしたほうが安定する
  

 ◆脚部を起点にして考えるのはやめましょう

 ◆体幹部で、特に骨盤を重要視
  骨盤と肩甲骨が重要視する
  

 ◆どこを一番使うのか、それは股関節
  体幹部を使ってダイナミックな運動をしようとすると、どこを一番使うのか、それは股関節。
  大腰筋と、腸骨筋(2つ合わせて腸腰筋)を使って股関節を動かす
    

 ◆股関節をダイナミックに使うためには、大腰筋が極めて重要
  大腰筋を使って股関節を屈曲したり外旋させたりします。大腰筋の拮抗筋はハムストリングです
  

 ◆トップコントロールは健康に良い
  トップコントロールの姿勢は骨盤体操のそれと同じ
  腕の動きで重要なのは肩甲骨なので左右の股関節、骨盤、肩甲骨を結ぶラインが運動に軸
  

 ◆体幹部主導
  肩甲骨、骨盤、股関節、とあり腸腰筋を使う
  

 ◆肝っ玉が司令塔?
  2軸で運動するときは体幹部が司令塔
  

 ◆電車ですら体幹部
  振り子電車は客車の部分が内側に倒れる...外向傾などない
  

 ◆テレマークから学べる
  テレマークは現教程で一番いい写真。
  内腰を引く、たたむ、内股関節の外旋、これを普通のスキー靴をはいて出来たら最高
  


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