■目的
z767m自作PCのCPUをRyzen 7 3700XとしチップセットをX570にします。
CPU性能向上とともにSSDをPCIe4.0接続にして速度制限から解放します。
■ハードウェア
今回使用するX570搭載マザーボードはmicroATXサイズのASRock X570M Pro4です。
組替前のPCに対してはCPU/マザーボード/メモリ/グラフィックが新規となります。
SSDはより高速PCIe4.0接続となり電源などは使用中のパーツをそのまま利用します。
流用予定のDDR4-2400メモリは相性問題によりDDR4-3600にしてOCで使用します。
「z767m自作PC (Ver.2)」 はこちら
■CPU
Ryzen 7 3700XはAMD Zen2アーキテクチャの7nm世代の8core/16thredのCPUです。
CPU Mark値は現行i7-6700Kの2倍と高速ながら、価格や消費電力は低くメリットが大です。
なおGraphicはCPUに内蔵しないので外付けボードが必要です。
Ryzen 7 3700X のページはこちら

■Mother
マザーボードはX570チップセット搭載のASRock X570M Pro4 microATXです。
PCIe 4.0のDual Hyper M.2 スロットで最大8GB/sまでの高速SSDを搭載可能です。
ASRock X570M Pro4 のページはこちら
AMD AM4ソケット Ryzen 2000 /3000シリーズ CPU 対応
10 電源フェーズ設計
DDR4 4066+ (OC)
2 PCIe 4.0 x16, 2 PCIe 4.0 x1, 1 M.2(Key E) WiFi の場合
7.1 チャンネル HD オーディオ (Realtek ALC1200 オーディオコーデック), ELNA 製オーディオコンデンサ
8 SATA3, 1 Hyper M.2 (PCIe Gen4 x4 & SATA3), 1 Hyper M.2 (PCIe Gen4
x4)
2 USB 3.2 Gen2 (背面 Type A+C), 10 USB 3.2 Gen1 (前面に 4 個、背面に 6 個)
Intel® ギガビット LAN
■Memory
相性問題の発生したDDR4-2400にかえてDDR4-3600をオーバークロックして使います。
使用するG.Skill F4-3600C19D-32GSXWBは、DDR4-3600 16GB x2枚組メモリーです。
G.Skill
F4-3600C19D-32GSXWBのページはこちら

■Graphic
3700XにはGraphicを内蔵しません。
4K対応の中からMSI GeForce GT 1030 2G LP OCのボードを準備します。
GT1030は低消費電力/低発熱かつIntel HD530/630内蔵GPUの数倍の性能を持ちます。
MSI GeForce GT 1030 2G LP OCのページはこちら

■SSD
1世代前の自作PCからディスクはすべてM.2 /NVMe /PCIe接続のSSDです。
SSDはすべてPCIe4.0 x4接続(max転送速度=8GB/s)となり速度制限から解放されます。
■組込み
CPU/メモリ/マザーボードと関連パーツが再組込みになります。
3個のM.2 /SSDのうち1つはkryo M.2 /SSDアダプタを介してPCIe拡張スロットへの組込みです。
ASRock X570M Pro4 マニュアルはこちら
・MotherBoard (CPU /CPU Cooler /Memory /SSDを含む)
・拡張ボード (Graphic /WD SSD /TV Tuner)

■BIOS
BIOSでメモリの動作クロックを確認し必要なら設定を変更します。
デフォルトがDDR4-2133につき今回はXMPをロードしてDDR4-3600になるようにします。
なおBIOSではBIOSバージョンアップやファン速度の最適化なども実行可能です。
[BIOS][OC Tweaker][Load XMP Setting=XMP 2.0 Profile
...]

■ASRock Utility
騒音低減のため最適速度にファンの調整と設定が必須です。
今回はASRockマザーボードユーティリティ(A-Tuning)を使用します。

■デバイス
デバイスマネジャの内容です。

■ソフトウェア
OSクリーンインストールにつきソフトウェアもすべて再インストール/セットアップです。
変更したハードウェア関連Driverを除いて基本的にUpgrade前に同じです。
OS |
Window 10 proffesional (Win 8無償Upgrade) ライセンス |
Driver |
ASRock X570 Motherboard /MSI GT-1030 graphic /Denon DA-310U USB
DAC /PT3 TV Tuner /Brother DCP-J925N Printer /Casio KL-G1 Printer |
OA |
Office Home &Bussiness 2013 ライセンス
Photoshop EL15 ライセンス
BlueGriffon /FoxitReader /notepad++ /pdfill tool /LabelProducer
/BA-300 LabelPrinter |
Internet
|
Chrome /Thunderbird /Teraterm /Filezilla /WinSCP
GoogleDrive /Ondrive /Nvidia control panel /AmazonMusic /Amazon
kindle for PC |
Player /Codec
|
iTunes /VLC /Yupiteru Viewer /avidemux /K Lite codec |
PC Tool
|
ASRock Utility /Crystaldiskmark /CrystalDiskInfo /Hwmonitor
/CPU-Z
|
■セットアップ
OSインストール方法やスタートメニュー編集などのセットアップ例です。
「Windows 10 のダウンロード」はこちら
「Win10/Start
メニュ編集」はこちら
OS |
Window 10 USBメディアを作成しUEFIモードでクリーンインストール。
|
Display |
4K Displayの文字サイズを[設定][ディスプレイ/拡大縮小とレイアウト]で調整。 |
自動ログイン |
セットアップ時の再起動によるログインの手間を省略します。
設定コマンド: control userpasswords2 |
Startメニュー
|
Startメニューのカスタマイズを行います。
|
Startアップ |
[タスクマネージャー/スタートアップ]を開いて不要な常駐タスクを無効にします。 |
Task Tray
|
Task Trayのタスクを必要最小限にします
|
■ユーザーフォルダ移動
C:ドライブイメージ復元でのデータ保護のためユーザーフォルダをD:ドライブに移動します。
移動するフォルダはMyDocumentやOnedriveなど13個です。
OneDriveはサインイン後に設定で、それ以外のフォルダーの移動は以下によります。
[フォルダー選択/右クリック][プロパティ][場所][移動][移動先フォルダ選択][OK]

■ライセンス
OSなどインターネット経由でライセンス認証の必要なアプリが存在します。
今回3件の認証結果です。
Window 10 |
デジタルライセンスにより自動認証。認証不可ならMicrosftアカウントページで不要なデバイスを削除。 |
Office 2013 |
プロダクトキーを入力することで認証OK。もし認証不可ならMicrosftアカウントページで不要なデバイスを削除。 |
Photoshop |
組替前にライセンスからのサインアウトが必須です。 |
■イメージバックアップ
インストール/セットアップが終了の時点でC:ドライブイメージをバックアップします。
使用するのは市販Paragon Drive Backup (Hard Disk manager)で手順は以下に同じです。
「Surface
Go/Driveイメージ」はこちら
Paragon 「Hard Disk manager」のページはこちら
■パフォーマンス
論理CPU数が16で5個のWindowを開いてもCPU使用率が1-2%程度です。
ネットワークだけが仕事中という感じです。

■ドライブ転送速度
M.2/NVMe/PCIe接続の/C: /D: /Eドライブの転送速度です。
ドライブはすべてM.2/NVMe/PCIe4.0x4接続でmax8GB/sまでは速度制限はありません。

■PassMark性能テスト
PassMark Performance Testではすべてのテスト項目をクリアしました。
メモリーはDDR4-3800にして3700Xの平均性能レベルをクリアしています。

[参考資料]
PassMark CPU
Benchmarks のページはこちら

■起動時間
PC起動時間はFast Bootを有効にして組替前とほぼ同じです。

■温度/ファン回転数
室温22℃でのHWMonitorによる温度とファン回転数です。
アイドル時のCPUファンは450rpm前後、ケースファンが400~500rpmと低速/静音です。
高負荷時のCPU温度が73℃、CPUファンが1000rpm程度で特に問題もないようです。

■消費電力
アイドル時の消費電力はインテルより多めです。

■問題点と対応
今回発生した問題点とその対応です。
[1]Memory互換性
現象:流用のDDR4-2400メモリでブルースクリーンエラーなどが頻発です。
*メモリを1枚にすると解消したかにみえます。
原因:メモリー互換性の問題と推定。
対応:DDR4-3600メモリに交換して解消..標準はDDR4-3200
[2]TV録画チャンネル相違
現象:TVチューナーの録画予約でBSプレミアムだけがスターチャンネル2に化ける。
原因:調査中 -> 2018年BSチャンネル再編成処理の一部が欠落
対応:未 -> 修復して解消
■仕様
AMD Ryzen 3700X搭載のr737自作PCの仕様です。
参考までにz767m自作PCの仕様も記載しました。
項目 |
r737 /x570版
|
z767m (組替前)
|
OS
|
Windows 10 Pro |
<- |
Case
|
Fractal Design Meshify C Mini Dark TG /micro-ATX |
<- |
CPU
|
AMD Ryzen 7 3700X 8C16T@3.6-4.4GHz /AM4 |
Intel Core i7-6700K 4C8T @4-4.2GHz /LGA1151 |
CPU Cooler
|
Noctua NH-U12P
Noctua NF-S12A PWM 120 x120 x25 4pin |
<- |
Mother board |
ASRock X570M-Pro4 /AMD X570 |
ASUS PRIME Z270M-PLUS /Intel Z270 Express
|
Memory
|
DIMM /DDR4-3600 /16GBx2
|
DIMM /DDR4-2400 /8GBx2 |
Graphic
|
GeForce GT 1030 |
Intel HD530
|
Drive Bays |
2x 2.5" /3.5" 共用 3x2.5" |
<- |
SSD /HDD |
C: Samsung 970 evo /250GB
D: Samsung 950 Pro /512GB
E: WDS500G2X0C /500GB
|
<-
|
Extension Board |
PT3 /PCIe2.0 x1 TV Tuner
MSI GeForce GT 1030 2G LP OC
kryo M.2/SSD + 950Pro /SSD |
PT3 /PCIe2.0 x1 TV Tuner
SB Audigy Rx x1 Sound
kryo M.2/SSD + 950Pro /SSD x2 |
Extension Slot
|
2x PCIe 4.0 x16(x16, x8, x4)
1x PCIe 4.0 x1
1x M.2 Type2230(Wi-Fi)
|
1x PCIe 3.0 /2.0 x16 (x16 mode)
1x PCIe 3.0/2.0 x16 ( x4 mode)
2x PCIe 3.0/2.0 x1
|
LAN |
Intel I211AT
10 /100 /1000 Mb/s
|
Intel® I219V, 1000 /100 /10BASE-T ×1
|
Storage
|
1x M.2 PCIe4.0 x4 64Gb/s
1x M.2 PCIe4.0 x4 64Gb/s
(2242 /2260 /2280+2230)
8x SATA /6Gbps (RAID0 /1 /10) |
1x SATA Express (2x SATA 6.0Gbps)
2x M.2x4 /2242 /2260 /2280
4x SATA /6Gbps (RAID0 /1 /5 /10)
|
Audio
|
Realtek ALC1200 7.1ch
Denon DA-310U USB-DAC
|
Realtek® ALC887 8ch
SB Audigy Rx |
USB
|
2x USB 3.1 Gen 1 (TypeA)
1x USB 3.1 Gen 1 (TypeC)
1x USB 3.1 Gen 2
2x USB 3.1 Gen 1
6x USB 3.2
|
1x USB 3.0 (Intel® Z270 TypeC)
6x USB 3.1 (Intel® Z270)
6x USB 2.0 (Intel® Z270) |
Internal
Connector
|
1 x COM
1 x 電源 LED とスピーカーヘッダー
1 x AMD ファン LED ヘッダー
1 x RGB LED ポート
1 x アドレサブル LED ヘッダー
1 x CPU ファンコネクタ (4 ピン)
1 x CPU/ウォーターポンプファンコネクタ (4 ピン)
3 x シャーシ / ウォータポンプファンコネクタ (4 ピン)
1 x 24 ピン ATX 電源 コネクタ
1 x 8 ピン 12V 電源 コネクタ
1 x フロント音源ポート コネクタ
1 x AMD LEDファンUSBヘッダー
1 x Thunderbolt™ AIC コネクタ
- 2 x USB 2.0
- 1 x USB 3.2 Gen1
- 1 x SPI TPM
|
1x MONO out header
2x USB 3.1 Gen 1 connector(s)
2x USB 2.0 connector(s)
2x M.2 type 2242 /2260 /2280
(SATA mode & X4 PCIE mode)
4x SATA 6Gb/s connector(s)
1x CPU Fan connector(s) (1 x 4 -pin)
2x Chassis Fan connector(s) (2 x 4 -pin)
1x 24-pin EATX Power connector(s)
1x 8-pin ATX 12V Power connector(s)
1x Front panel audio connector(s) (AAFP)
1x Clear CMOS jumper(s)
1x System panel connector
1x COM port header |
I/O Panel
|
3 x アンテナ
1 x PS/2 マウス/キーボード
1 x HDMI (使用不可)
1 x DisplayPort 1.2 (使用不可)
1 x USB 3.2 Gen2 Type-A
1 x USB 3.2 Gen2 Type-C
6 x USB 3.2 Gen1
1 x RJ-45
3 x HD オーディオジャック
|
1x PS/2 keyboard (purple)
1x PS/2 mouse (green)
1x DVI-D
1x D-Sub
1x HDMI
1x LAN (RJ45) port(s)
1x 5Gb/s port(s) USB Type-CTM
( support 3A power output )
2x USB 3.1 Gen 1 (blue) Type-A
2x USB 2.0
3 x Audio jack(s) |
Graphic出力
|
HDMI/DisplayPort (4K) |
HDMI /DVI-D /D-Sub15 (4K) |
Display
|
LG 24UD58-B (4K) |
<-
|
Case Fan
|
Front: NOCTUA NF-A15 PWM
Rear :NOCTUA NF-S12F PWM |
<-
|
Printer
|
Brother DCP-J925N Casio KL-G1
|
<-
|
Mouse
|
Logcool MX Master 2S |
<-
|
Keyboard
|
Topre RealForce SJ08B0 |
<-
|
Power Supply
|
CORSAIR RM550x/ATX 550W |
<-
|
Power
|
Idle:52W
Max:--W |
Idle:35W
Max:--W |
Size
|
W212 xH399 xD395 mm |
<-
|
Weight
|
約8.8kg |
<-
|
■結果
無事に組み換えとインストール/セットアップを終え所定の性能向上を達成しました。
7nmプロセス採用の3700Xは組替前i7-6700K性能の約2倍でビデオ編集などに威力です。
3個のPCIe3.0x4のSSDはすべてPCIe4.0 x4接続となりB450版のSSD速度制限から解放です。
*/C: /D: /Eドライブ転送速度は、M.2/NVMe/PCIe接続で2.6~3.5GB/sと高速化です。
メモリ互換性エラーはDDR4-2400からDDR4-3600に交換で解消しかつOCでの使用です。
マイクロソフトアカウントから組替前PCの登録削除で、Win10ライセンスは自動認証です。
*マイクロソフトOfficeライセンスも認証不可なら同様と思われます。
Photoshopは組替前にライセンスからのサインアウトが必須です。
アイドル時CPUファン回転数は450rpm前後の低速で静音です。
アイドル時消費電力は52W程度で、組替前35Wより上昇です。
* 2020/06/11 小型化のためi797自作PCに移行